排水管の寿命は、使用されている材質や環境条件によって大きく異なります。一般的な目安として、鋳鉄管や鋼管はおよそ20〜25年、硬質塩化ビニル管（VP・VU管）は30〜40年、耐火二層管では40年前後といわれています。
ただし、これはあくまで設計上の目安であり、実際の寿命は水質、温度、流す汚れの種類、施工精度、勾配の状態などの要因で前後します。台所では油脂や洗剤カス、浴室では髪の毛や皮脂、洗面所では石けんカスなどが少しずつ管内に付着します。これがスケールや腐食の原因となり、詰まりや悪臭、漏水、赤水などのトラブルを引き起こします。
こうした劣化を防ぐ最も効果的な方法が、定期的な排水管清掃です。
高圧洗浄によって内部に堆積した汚れを除去すれば、排水能力を保ち、腐食やスケールの進行を抑えることができます。また、清掃時にカメラ調査を行えば、劣化や勾配不良を早期に把握でき、更新や部分補修の判断にも役立ちます。
放置すれば修繕費が膨らみ、建物全体の資産価値を損ねることにもつながりますが、定期的なメンテナンスと日常管理を組み合わせることで、排水管の寿命を5〜10年延ばすことも可能です。
定期的な清掃を続けることは、排水管の寿命を延ばすだけでなく、建物全体の安全と資産価値を守るための基本的な管理といえるでしょう。